マラソンの歌23号-17
　　
平成13年 2001年

	パソコンは縁なきものと思ひしをあれよといふ間にのめり込みたり 受け取りしメールに行かねばなるまじと心に誓ふエードの二三 われ二度目馴染みの増えたりその上にメール仲間も新たに知りて 単独走ゆゑの甘えかタイム悪しけんちゃんチームに早も抜かれて(香具山) 大幅のワープに着きたる玉水エード誤算なるかなトップに出でて 月光の漏るるが霜のごとく見ゆ深夜に大吉山を通過す 山道も深夜もわれは恐れ無し独りがゆゑに緊張しつつも 寺庭のベンチに仲間ら横たはる風邪を召さるな夜明けは冷ゆる(岩間寺) 大津よりワープを決めてわれデート山崎駅を過ぎつ戻りつ（橋本美千代さんと） 橋下にボッタクリバーとはいかがはしランナー捕らへて朝まで営業 「回し読みに読んでいます」と声かかる独り歩きのマラソンの歌 アフガンへ爆撃開始を耳にする三日目未明武庫川エイド 日本もテロ殲滅に参戦を一国平和は孤立をまねく 炭疽菌狂牛病もテロなるか世の中不況に拍車がかかる メル友の美女に囲まれわれご機嫌睡魔襲ふも夢にはあらず （マッちゃんエイド） 山道の秋風寒し急がむと思ふもわが足痛みて遅く 鉄塔の柵を巡りて道探すかかる所が確か有りしと 時間外わづか数分遅れたるUMML関東の完走めでたし
	開催日 平成13年10月６〜８日 主催 関西周遊山岳マラニック大会実行委員会　代表阪本真峰（真理子）さん 距離コース 305�q 紀見峠〜金剛･葛城山〜平石峠〜桜井〜山の辺の道〜宇治〜炭山〜岩間寺〜石山寺〜大津〜大文字山〜嵐山〜大阪城〜武庫大橋〜宝塚〜六甲最高峰〜有馬温泉 制限時間 56時間　ワープヶ所　柳本〜木津31�q・長等神社〜水無瀬62�q ゼッケン NO４
	今年の参加はうかつな申し込みから始まりました。今年は昨年と違って個人参加枠があり、これ幸いと申し込みました。昨年の私の実績はほぼ4分の1ほどをワープしています。今年もワープは必至です。そこで単独走「ソロ」ならば、昨年の穴埋めをしつつ、気ままなコース取りができると思った次第です。 しかし、うかつにもソロは条件が厳しいのを読み落していました。他の大会で申込者に指摘されて、慌てて取り消し、ないしは条件緩和を嘆願したところ、快くチーム走と同じ条件にしてくれたのでした。やれやれです。 ともあれ、コース取りとして、昨年ワープして寄れなかった玉水エードには、今年は是非寄りたいと思いました。人伝に私の到着を待っていた方がいたと聞いて、お詫び方々絶対寄ろうと決意していました。おそらく直前参加した「徳川家康追跡マラソン」のスタッフの方ではなかろうかと想定しつつ。 実のところ、昨年と比べて私には目覚しい変化があります。メカに弱いといいながら、パソコンにあれよという間にのめり込んでしまったことです。何とホームページまで公開してしまいました。その辺の事情は、後学のため「ホームページ開設奮闘記」として、残したいと思いますが、沿線にエードを開いて応援してくれる、メール仲間には是非会いたいと思いました。お顔と一致して読みたいために。 関西周遊はスタートしました。 香具山で視覚障害者の亀井健二、伴走者岸本白峰(佐恵子)・春井正徳氏の夢チャレンジチームに追いつかれてびっくりしました。昨年は奈良の大仏殿を過ぎてからだったのに！。桜井駅近くの、みちくさチーム中西仙太郎氏の兄さんの私設エードで、好物のそうめんを戴きながら、亀井氏に「今年は快調だね」と話しかけると、昨年と大して変わらないという。がっくりきました。それだけ私が遅いということです。昨年はチーム走のため、私はそれなりに頑張っていたともいえます。 早くもワープを考えることになりました。 関西周遊はまったく厳しい大会です。私は一番難所のダイアモンドトレールをワープして、池の下からトップの到着を待ってスタートすれば、残りの全部を回れそうに思うのですが、そうは許されそうにありません。 私はうどんの美味かった、青垣の私設エードに伝言を託して、柳本駅から電車に乗りました。木津まで電車で21�q。迷路のような山の辺の道ルートで、およそ30�qのワープでした。 私はトップに出てはまずいと思いつつ、玉水エードに着いてみると案の定トップでした。トップには敬意を表すべきで、私は大変申し訳ないことをしてしまったと思っています。 やがて到着のトップは文字通りHigh Speedチームの、中道進武・塩原正・岡部真由美の３氏でした。中道・塩原両氏は関西周遊はもちろん、スパルタスロンも何度も完走している強者です。中に入って女性の岡部さんは男性2人に遜色ない体つき、見事です。このチームはゴールまで、１度も誰にもトップを譲っていないと思います。大幅にワープしたこの私を除いて。 玉水エードは藤井満博氏を中心とするUMMLの方々で、思惑通り藤井氏・栃木静夫氏が、徳川家康追跡マラソンのスタッフでもありました。トップチームを待ちつつ私はビールを２本も戴いてしまいました。どうもどうもご馳走様でした。 玉水からは最初のレストステーションである「京都健康村」を目指すのみ、大阪から車で応援の門雅和氏、同乗の佐田文江さんに道中何度も励まされました。門氏は車の中から携帯で、UMMLに逐次情報を入れているようで、私のワープが早々にばれているようでした。 京都健康村から、次のレストステーションである「住友金属厚生寮」までを２日目として、私は０時３５分にスタートしました。すでに数チームが出発しています。直ぐ前に毛利絹子・橋本美千代・西久子さんの河内かしまし娘チームが出発しました。ところが炭山のエードでは、まだ来ていないという。私はずっと歩いていたのに？？。 山道でソロ(スタート４時間遅れ)トップの原櫻峰（健次）氏に抜かれました。岩間寺のベンチに山田米重・山上直樹・玉本英明氏の、夢の旅人チームが寝ていました。 　山道で抜かれたはずが、わが「峰友」鈴木絆峰(邦雄)氏が欠場で、久保田知明・星川信貴氏2人の物見遊山チームに、何故か再び抜かれて石山寺に到着しました。夢の旅人チームが到着しました。かしまし娘チームも到着しました。けっこう皆さん苦戦しているようです。皆さん超人・怪物・妖怪・化け物・ゲテモノと思っていましたが、素直な人間味が感じられて安心しました。 吉村隆之・塩原巨倫・大西裕氏の辛口どらいチームだったか、森塚良郎・吉田修三・樋口易之氏の３年B組山学校チームだったか、或いは混成の数人に抜かれて、前田善次・町田正・西本昭博氏のUMML関東チームと一緒に長等神社に到着しました。どうやらこの辺が完走者の限界なようです。事実、町田氏が制限時間の５分後、前田氏が８分後の到着でした。 時間はまだ午前10時前だったと思いますが、私はここで再びリタイアしました。この後は、同じくリタイアした、かしまし娘の橋本さんとデートを楽しみました。レストステーションの住友金属さんのあるJR山崎駅を通過し、行きつ戻りつしました。寝過ごした分けではありません。時間を調整したのです。 住金さんの厚生寮には15時着。みちくさチームの平託治氏がワープして先着していました。平氏はここのOBであり、氏の計らいで利用できるようです。風呂に入り、２時間ほど休眠できて助かりました。 敬意を表して、トップチームの出発を見送って私もスタートしました。19時15分ここからを３日目として、私は自力でゴールを目指す予定です。 堤防上を走っていると、車で追いかけてきた門氏に、河川敷を走るように注意されました。枚方大橋を渡ると、今度は堤防上を走った方がいいと教えてくれました。門氏と佐田さんが移動エードをしながら道案内をしてくれたのでした。浪越保正氏もバイクで移動しつつ何度もサポートしてくれました。 いよいよ、いわくありげなボッタクリバー到着です。佐藤光子さんが出迎えてくれました。浪越・門・佐田さんもいます。ここはUMMLの関西本部のように思います。私は門氏におだてられてUMMLに入りました。が、皆さんの圧倒的な活躍ぶりに萎縮しています。思えば、門氏のホームページの「サルにも出来たHP」に刺激されて、私もホームページを作りました。私はまだ猿のHPを見ていませんが、門さんいかがでしょうか。私も猿と同等になれたのでしょうか？。携帯電話も持たない私ですが、インターネットの世の中がますます近づいています。私は門氏のお陰で、未来（サル）社会の仲間入りができたと感謝しています。 　後でどなたか門氏に聞こうと思ったのですが、撮った写真が暗すぎるのが残念です。 　ビールに焼酎のXX割り・日本酒をちょっぴり戴いて、門氏に長居を蹴飛ばされる前に出発しました。 　ソロは気ままに多くの仲間の走りを見ることができて何よりでした。岡村絹枝さんは、いまやウルトラマラソン界きっての女親分ですね！。コスモスは自チームの、２歳違いの長尾康久・高山邦之氏が「姉について行くだけ・妹について行くだけ」と、心服しています。岡村さんはそればかりではありません。他チームの若手、らりるれランの山田慎治・中村昭之・加納季朗氏の面倒も見ているようです。 　私はほとんど独りで走って・歩いています。大阪城はスムーズに通過しましたが、御堂筋から十三大橋を渡るのには、地図の変わり目でも有りてこずりました。橋の北詰の近藤哲夫氏の走友会のエードでは、ビールを戴きながら、私の歌集を回し読みに読んでいますと話しかけられ、嬉しい思いをしました。 　ソロの八重樫智彦・黒田宗治氏の到着見て、代って席を立ちましたが、あっという間に抜かれました。梅田駅までワープしたという、小坂優子・宇津木隆・東條一矢氏のランパンチームの東條氏が追いついてきました。氏とは初日のダイトレの途中から下山まで一緒でした。その時もう１人一緒だったソロの佐藤嘉則氏との、リタイアまでの苦戦談を話してくれました。 　国道２号線の眠いこと。やっと着いた武庫大橋北詰エード。次のマッちゃんエードのことをすっかり忘れてご馳走になってしまいました。腹が膨れて眠さ100倍。たまらなくなってベンチに横になりました。が、思い出して早々に駆け出しました。 　テレパシーか美女２人の伴走の出迎えには恐れ入りました。マッちゃんが「美女揃いです・うそは言いません・絶対寄ってください」と、メールをくれましたが、本当に美女揃いでした。私もうそは言いません。朝焼けを背景に美女に囲まれて撮った写真は、私の自慢の種となるでしょう。戴き損ねた料理の数々には、いまさらながら生唾を飲み込みつつ。 　甘い感触を舌なめずりしながら塩尾寺下に到着すると、みちくさチームの中西氏と中平千恵子さんがいました。デートした橋本さんも仲間の到着を待っていました。 　船坂峠でしょうか？。昨年の記憶では、鉄塔の柵の周りを半周するところがあったように思うが、そんなところを通らないまま、車道に出て行き止まりの鉄塔に出ました。柵の周りをいくら回っても道はありません。途中山道へ入るのを見落としていて、結局は戻りましたが、全行程ほとんど独りで前進しつつ、私の間違えたのはここ１ヶ所でした。 最後のチェックポイント六甲最高峰で平氏に会いました。リタイアしたが最後は一緒したいと、チームの出迎えに逆走しているところでした。私はしばらく一緒だった情報を伝えました。 もう、有馬温泉へ下るだけです。最終日を踏破できて気分は最高です。気ままにさせていただいたお陰で、多くの仲間に会えて、去年とは違った楽しみを味わうことができました。残念ながら１度も会えなかったチームが２・３ありますが仕方ありません。 おっとっと、お世話になったスタッフのお名前を書き忘れるところでした。 森西正夫氏は下見でも世話になりましたが、音響入りで、宴会の名司会者としていなくてはならない方でした。坂本和男氏は始めどなたかと思いましたが、昨年香具山から耳成山辺りを共走した方と分かって、急に親近感がわきました。木村克彦氏には一番あちこちでお世話になったように思います。 立見孝司氏はもう何年も前からいろんな大会で顔があっています。河田治男氏は昨年下見のチームリーダーでした。日比康博氏は帰る間際までお名前を知らないままでしたが、帰ってからメールで速報の発信者だったことが判りました。関根孝二氏・阪本さんについてはもう省略しても許されましょう。漏れている方がございましたらご容赦ください。 日本一厳しい関西周遊、私は２回続けて参加して、多くの方々と触れ合いを楽しむことが出来ました。あまりわがままは言えません。私は卒業できないままの退学です。皆さんどうもありがとうございました。 追記　スタッフに肝心の私の弟子、梅田風峰＝育夫氏が漏れていました。原稿の差し替えをと送りましたが、正直なところ、歌の４首をその後参加したニューヨークマラソンに移動するのが、主目的であったことを白状しておきましょう。