起点なる小浜を発ちてジャーニーラン鯖街道は京を目指して

小浜より京への道の最短か鯖街道の山道険し

運びしは捕れたてならむ鯖街道都人らの口におもねて

倒木の朽つるがままに道ふさぐ歴史街道廃るがままに

落ち武者の鎧兜に障りけむ往時をしのぶ険しき山道

人里を遠く離れし峠越え命の水にのどを潤す

耳近に鳥のさへづり山深し清々しくも五月の緑

山里に人のたまたま見掛けしは家の近場に蕗を摘みをり

山椒の香りかぐはし手に薫る若葉薬味に素麺食ひたし

遠敷平良われの読めなし鯖街道人のまれなる部落駆けつつ

清らかに流るる川に沿ひて駆く山の奥にも釣人の立つ

完走をなして帰れと励まさるわれ東京と答へ返せば（楢崎順章氏）

京都府の山の広さにたまげたり都といへば街と思ふに

峠より下りを一気に駆け下るブレーキ故障のごとく止まれず

加茂川の岸辺は市民の憩ひの場橋の七つを潜ればゴール

制限の時間ジャストにゴールイン直ぐには飲食胃が受け付けず

鯖街道駆けて完走焼き鯖を肴にビールのまことにうまし

月影の加茂の岸辺に飲む酒の完走ゆゑに誠にうまし

スタッフに馴染みのゐたる余得にてアフターマラソン寛ぎ憩ふ（井上博方氏）

ランナーズ誌へ次号予告の鯖街道「日本史を走る」は友の執筆（松尾秀助氏）

完走の代償として筋肉痛チタンテープを試してみるか

効力を訝かりながらもチタンテープ摩訶不思議なる力にすがる