マラソンの歌20号-7
 第1回 東京・荒川 市民マラソン 

平成10年 1998年



東京に陸連公認の市民マラソン荒川河川敷にて信号のなし

首都圏に市民マラソンの河川敷制限七時間を呼び物として

両側の土手高ければ河川敷目に限りなし緑の平原

土手越しに見ゆるは塔にノッポビル荒川河川敷をわれの駆けつつ

下町の生活の見えぬ河川敷土手の向かふにひしめくものを

釣りゴルフバードウォッチングに野球場市民に憩ひの荒川河川敷

知らざりし岩淵水門墨田川が元荒川の暴れ川とは

対岸の高速道路が宙に浮く水平線に一筋高く

荒川に架かるは幾つ橋・鉄橋下を住まひの住人がゐる

遠くより見ゆる建物屋上に「光」一文字わが得意先

折り返し駆くる荒川土手の上見ゆる下町家の建て込む

遠くより見れば岩淵水門に掛かるランナー蟻のごとしも

水を掛け喜ばれをるボランティア曇りて手持ち無沙汰なる友(松本和夫氏)

ランナーのゴールを脇に擦れ違ふわれ通り越す遅きがゆゑに

さくら道の疲れの残るわが走りリタイアせしが夢のごとしも

模擬店にランナー賑はふ大広場ひときはラーメンの臭ひ漂ふ

雨降らば隠れ家のなき河川敷晴れて幸ひアフターマラソン

フルマラソンを走るは一年二か月振り百の拘りとうに薄れて


 開催日  平成10年5月10日

 主催    東京・荒川市民マラソン実行委員会

 種目    フルマラソン(通算52回目)

 記録    RCチップタイム5時間02分04秒

 ゼッケン  NO・5421

 「長流」  9月号


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