仲間らのエイドを当てにわれのせず選択スタートす未明の五時に

何事も自己責任のマラニックサポート当てになしてはならず

混沌と湖北の闇に光りなし太古の闇はかくてありなむ

銅像のごとく釣人船に立つ朝凪の湖微動だにせず

冬に入る湖北の街筋閑散と散水試験の噴水光る

先行すわれらにサポートかたじけなし先頭を行く気分壮快

過去に二度迷ひたる場所舞子浜明るき内にわれの通過す

国道に沿ひたる歩道の駆けにくし凹凸激しく幅また狭し

びわこ畔巡りて湖南にわれ掛かる絢爛たるはアダルトランド

チャリティーに琵琶湖の浄化を訴へる何はさて置き人が癌なり

厳めしき山門閉ざす石山寺古刹を深夜にわれ折り返す

後続の先頭にわれ抜かれたり遅しと思ふ早しと思ふ（関根孝二氏）

さくら道初回より完走者四人のみ紅一点の友は琵琶湖も強し（加村郷峰さん）

湖渡る冷気に着脹れわれ歩む寒さ凌げば睡魔が襲ふ

障害を避けむとよろめきたぢろぐも睡魔の幻覚徹夜の走歩

覚醒は日向性なりウルトララン朝の光りに眠気を覚ます

公園のベンチにしばしわれ仮眠小春日和の青空の下

びわこ畔総じて初冬の閑散と駆け安くしてわれの完走

泥睡に満ちたる目覚めの心地好し痛みて身動き儘にならねど

三日間眠り放しは隠居の身世の出来事に自ずとうとし