名古屋市のタートルマラソンまみゆべし仲人親に永年の友に

飯田氏は神戸長崎開拓し参与となりて役員に座す

永年の友にし在れば赤裸らに仕事と趣味の生き様さらす

教育も料理も委ねひたすらに自由なる時子離れを待つ　（飯田夫人）

婚以来と思ひてゐしに三度目と一度吾に記憶の有らず

十六夜の月をかざして名古屋城真向かふホテルキャッスルゆ見ゆ

東急インゆ名城公園をめぐり駆く旅にジョギング習ひとなりて

公園の堀に沿ひつつ振り向けば朝日に燃ゆる金の鯱

男性のシンボル祀る田懸神社われ五十歳けふ誕生日

明治村を残暑厳しき日盛りに汗にまみれて物見忙しき

浪人の次男に宛てて書くはがき明治のポストは黒塗りなりき

亀らくだ猫猿岩を眺めつつ増水の川ラインを下る

前方に日本最古の城の見ゆ犬山マラソンいづれ駆けたし

親しむはほぼ共通の体験談「ランニングと脳」の著者の住む町

ゆくりなく二日続きのチャイナテーブル昨夜来たるを言ひそびれたり

建白のままに任され支配人仕事の虫となりて活躍　（金井さん）

己が子に産湯使ひしことなきを初孫控へ笑まひ語らふ　（金井夫人）

近ぢかに爺婆となる金井夫妻吾らと共に大会に出づ

大都市のタートルマラソン人気なき臨海地帯をひたすらに駆く

あまりにも暑きがゆゑに頭から水を被れば靴底に滲む

来年の大会会場いづくやら共に出づるを約し別れぬ

高齢化社会に生くる慰みに趣味なる種を蒔きて育め

のめり込む趣味程ほどに語るべし勤勉なるが美徳日本

年古らば懐かしからむマラソンの旅の紀行歌繰りて読まなむ

　開催日　　　　平成元年９月17日

　主催地　　　　愛知県名古屋市

　参加種目　　　ハーフマラソン

　記録　　　　　１時間57分40秒