十月は走り込み月ミニ大会五時間走に誘はれて出づ

起伏とむ多摩丘陵の愛后山往復三キロ折り返し駆く

萩の散る桜もみぢの闌けて散る秋の装ひ深まりにけり

時迫り残る時間を広場駆くタイム読まれて盛り上がり来ぬ

天幕に雨を避けつつ和やかに地元のもてなし受けてくつろぐ

年初より「ＪＢＭＡ」に加はりてボランティアーの伴走に駆く

「湯けむり」に出られると聞き差し上げし吾が歌の載るテープを頂く

賜びたるは音の雑誌の編集長吾が伴走に走りたる人（清水政直氏）

いきさつを語りつつ詠むナレーション音の雑誌を「しおさい」と言ふ

献血に視覚なき人伴走に吾が健康の悦びを分く

マラソンを走りて後の心ばへ行なひなどの変はりたるかな

吾を知る昔の友は知らざらむマラソン尺八短歌の趣味を

限界に挑むマラソン克服の感涙二三心に残る

運動の汗は生身の潤滑油癒着をほぐし老化を防ぐ

「天地人」一人三役渡辺氏の取材印刷発行に成る

　走行距離　　42・８２７km

　解説　　　　　「ＪＢＭＡ」＝日本盲人マラソン協会

　　　　　　　　　「湯けむり」＝塩原温泉湯けむりマラソン

　　　　　　　　　「天地人」＝「ＪＢＭＡ」の隔月紙

　「山の辺」　　12月号