景品の三浦大根当てにして三年ぶりの三浦マラソン

きさらぎの三浦海岸会場にランナー溢れて水際も見えず

砂浜に裸の着替へ立春の空の怪しく身を震はせて

マラソンの帯は流るる緑なす大根畑の丘に消えつつ

緑なす畑縫ひつつランナーの綾に流れてけぶる雨降る

白秋の詩の雨降る城ヶ島街に土産の磯の香漂ふ

暖かき三浦と言へど如月の雨は冷たく身に降りかかる

景品の大根提ぐるランナーに三浦の街はひしめくごとし

とろとろとまどろむ電車の網棚に大根の葉のほのかに臭ふ

景品の葉付き大根ぶら提げてわれ面映ゆくも電車乗り継ぐ

散りぢりになりて下り立つ吾が駅に面映ゆきかな大根提げて

　開催日　　　　　平成２年２月４日

　主催地　　　　　神奈川県三浦市

　参加種目　　　　ハーフマラソン

　記録　　　　　　 １時間57分38秒

　ゼッケン　　　　 NO・７０４０

　「山の辺」　　　 ４月号