「フル百」にわが紹介に入りし女（ひと）はるばると来て再会のなる

距離延びて果樹園地帯をあへぎ駆く急坂なるは変はることなく

わが寺と友は言ふなり「雲峰寺」前欣求浄土を祈りつつ駆く

「雲峰さん」とわれ呼ばるるが板につく一つ変身なりて楽しく

盂蘭盆の里の帰りのこの大会飲み疲れならむ息切れ早し

聳え立つ山に向ひてひた歩む残暑厳しき陽射しを浴びて

身に触るる仄かなる風いと涼し秋と言ふべし木陰に入れば

やうやくにゴールの峠に辿り着く茶屋にランナー賑はひ溢る

倍近き値段のビールを飲みて待つ賽の河原ゆ友の戻るを

缶ビール回し飲みつつ峠なる看板を背に記念フォーカス

真清水に冷えたる桃を丸のままかじりつつ山を一気に下る

はるばると福岡より来て再会の友は入賞遠来賞受く（赤星保代さん）

　開催日　　平成４年８月16日

　主催地　　山梨県塩山市

　参加種目　約16km

　記録　　　２時間19分13秒

　ゼッケン　NO・２１９６

　「長流」　12月号