マラソンの歌10/11(14)号ー27
 第1回ジョイフルマラソン大会 

平成4年 1992年



(1)

マラソンの百を夢見る仲間らの記念集会五年を経りて

北海道沖縄からも集ひたり日本全国きじるしはゐて

駆けてさへゐれば機嫌の脳天気喜々と集へり朝も早から

昨日より一昼夜走の友もゐる夜の更くるまで飲みたるもゐる

法被着てサンダル履きの事務局長声の野太く采配を振る(吉野孝敏氏)

行政に頼るにあらず手作りのフル百祭り準備整ふ

一通り開会式のセレモニー選手宣誓ミスジャーニーラン(菅原千加子さん)

七十代の長老二人を先立てて宴を前のマラソンを駆く(飯沼アサ・石神良平両氏)

「JOYマラソン」夫妻揃ひのユニホームなべて拘り仲睦まじく(竹田昭彦氏夫妻)

周回のコース名入りのゼッケンを背に付け替へて自己PR

平塚の総合公園会場はスポーツシーズン賑はひにけり

つひ疎遠従兄弟の住むはこの近く叔母みまかりて幾年ならむ(渡辺国彦氏)

お住ひが近くと思ひ知らせたり「長流」の友足を患ふ(玉村美智子さん)

仰ぎたる師はみまかれりユニークと「マラソンの歌」野放しのまま(注記1)

給水にビールどうぞと勧めらるめんこき姉妹は友の娘に(石森 仁氏令嬢)

上りたる友らは水場に遊びをり秋たけなはの黄昏迫るを


(2)

最大のイベント祭りのセレモニー席整ふを待ちわびて待つ

名付けたるテ-ブル名はグローバル館山勝田佐倉ホノルル

「ようやくに逢えましたね」と手を取りて心通へば言葉は不要(栗原育子さん)

会員のカラー名鑑配らるるしたり顔なるわれは虚無僧

和やかにくだけて仲間ら賑やかに顕彰メダルが授けられたり

景気よく主軸揃ひて鏡割り空にて侘し酒好きのわれ

会長は飾りにてよし大方は事務局長の指揮に委ねて

無念なれ晴れの舞台を前にして実行委員長病に倒る(町田一幸氏)

趣味なきがやうやく得たりと駆け回る日本一を更新しつつ(小島義一氏)

究極のランの魅力とジャーニーラン夢を遂げたる友の目指すは(内田誠一氏)

歌一首なせと囃され野次がとぶ自己紹介のめぐりて立てば

お祭りはフル百音頭に盛り上がる東京音頭のリズムに乗せて

万歳を三唱仲間ら健やかに夢を育てて今宵楽しく

泳ぎ乗り駆くるばかりにあらざりきコピーアイアンベビー待たるる(注記2)

新婚の旅先にても泳ぎ乗り駆けてゐるらし絵葉書届く(石垣島より石川尚子さん)


開催日  平成4年10月18日
主催   フル百回楽走会
参加種目 フルマラソン(通算29回目)
記録   4時間42分32秒
ゼッケン NO・128

注記1  10月11日吉田 宏「山の辺」主宰逝去。
注記2  10月11日挙式の小川尚子さんへの祝電。

「フル百会報」11月号
「山の辺」1月号


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