点訳のわが歌ともは指に読む伴なひて行く坂戸マラソン（小沢靖子さん）

熟れ柿の残りて欅の枯れ葉散る目に晩秋の武蔵野を駆く

応援に祭り囃子の笛太鼓野面はすでに収穫を終ふ

露地の菊落葉焚く煙嗅覚に見えなき友と語りつつ駆く

しんがりに慣れたるといへ歩むなく落ちこぼれ来るランナーを抜く

抜き来るランナー二三に抜き去らる立ち止まり飲む給水の間に

歩みつつ給水出来ぬとおもむろに一気も成せずと友は水飲む

去年より五分縮めてゴールイン救護車後に付けられず済み

給水の訓練なせばあと二分短縮なると笑ひて勧む

定年後なにを為すべし放映のバックにわれの伴走過ぎる（注記）

　開催日　　平成４年11月15日

　主催地　　埼玉県坂戸市

　参加種目　20km

　記録　　　　２時間17分

　注記　　　　11月23日の放映のバックに代々木の練習会の風景が写される。

　「長流」　　３月号