マラソンの歌12/13(15)号-28
  
 
平成5年 1993年



インターを降りれば一望の丘に町かつて製糸に栄えたる町

世界一の地球儀なりとガスタンクわが国赤く塗られて立てり

制限の厳しきことも知らぬまま今年納めの群馬サファリー

関門は一周十キロ五十分良くも悪しくも間際に知りて

地区駅伝の選手選考を兼ねたるとわれに厳しき十キロ五十分

鮮明に透き通りたる地平線奇山妙義を望みつつ駆く

自らの引き起こす風ひんやりと坂もひたすら懸命に駆く

見の限り桑畑なりし所ならむ今なほ主なる郊外を駆く

声援に応へる暇のあればこそ関門まではと懸命に駆く

距離表示がなくてペースも知れぬままともかく一周懸命に駆く

思はざるタイムに通過十キロを五十分切るは幾年振りか

関門を過ぎてしまえば常のわれのんびり道草写真撮りつつ

冬晴れの空を縁取る妙義山カメラ渡してフォーカス頼む

つまづきて転ぶをのめり支へたる手は手袋の保護にことなし

自らの足の運びにわれ駆けてつつがなきかな酉年の逝く

特産品を買ひて帰ればスーパーの数割り安しと妻の喜ぶ

手作りの『マラソンの歌』われの編む見栄え新たに写真を入れて


 開催日   平成5年12月12日

 主催    群馬県富岡市

 参加種目 20km

 記録    1時間45分32秒 関門通過47分32秒

 ゼッケン  NO・86

 「長流」   3月号


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