「日本の屋根を走ろう」大会のキャッチフレーズを幻に駆く

　「大縦走・フォッサマグナ」を内にしてわれは大町マラソンを駆く

　松本平の一角を成す穀倉地帯一直線に田園を駆く

　収穫を終へたる刈り田籾殻を焼く煙り立つ秋の安曇野

　収穫を終へたる刈り田畦道にコスモスの花そそと華やぐ

　荒草も実りの秋のねこじゃらし脛をくすぐる農道を駆く

　曇天に屋根のアルプス見えねども「大縦走」の足跡残す

　静岡より泊へ早駆け大縦走快速登山の友の足跡（田中義巳氏）

　静岡より糸魚川までフォッサマグナをジャーニーランの友らをしのぶ

　この夏の異常気象を塩の道友らの体験しのびつつ駆く

　擦れ違ふ度に目敏くわが名呼ぶわれ応へつつ思ひ出だせず

　轟を残して走るモーターボート木陰爽やか木崎湖湖畔

　終章を奏で終へしか秋の虫かぼそく侘しゴールは遠く

　街道に一本杉は道しるべ三十五キロの関門通過す

　塩の道ジャーニーランはやはり無理フルマラソンさへ楽にあらねば

　満員のランナー乗せて薪炭車わづかの坂を悲鳴懐かし

　常なるは博物館の薪炭車町のサービスランナー乗せて

　逞しくなりたるものか萩の友名簿を見つつ悔ひの残れり（小島憲子さん）

　先々に印象残してわれ来しか思ひがけなき声の掛かり来

　　
　開催日　　 平成６年10月９日

　主催　　　　社団法人大町青年会議所

　参加種目　フルマラソン（通算36回目）

　記録　　　　４時間43分11秒

　ゼッケン　　NO・８３２

　「長流」　　平成７年２月号