マラソンの歌14/15(16)号ー8
平成6年 1994年
二度となき大会阪神高速湾岸線完成記念のマラソンに駆く 神戸より芦屋西宮尼崎大阪までを鳥瞰に駆く 六甲の山は迫りていや高し麓は開発されつくし見ゆ 臨海を埋めたててなる未来都市人は自然を改造なして 風よけのなきハイウエーのマラソンに汗の身冷たし六甲颪 六甲の峰を駆けたる一昨年よくぞなしたり全山縦走 ゆりかもめ鳶も風に煽らるるハイウエーマラソン鳥瞰に駆く 吊り橋の長さ競ひて目覚ましき技術はどこまで伸びてとどまる 世の中の進歩の陰にわれわびしビデオの操作も子らに頼りて ビデオは子ガスやレンジは妻任せわれの弱きはメカのみならず カタカナ語みだりに多き世の中に今浦島のごとくわれはと惑ふ
顔広き地元の友らの並走にハイウエーマラソン賑やかに駆く(注記1) わが記事がマラソン雑誌に載りたるも話題となりてマラソンを駆く(注記2) マラソンの歌数およそ三千首ややオーバーなるインタビュー記事 稿料の入りて仰天インタビュー記事わがキ印も足し前なるか その道の一途なるものキ印をわれ認めつつ『マラソンの歌』 ランナーの曳く影長し日は西に開通記念のハイウエーマラソン たそがれのH柱橋逆光に未来都市なる陰影に立つ 変はりゆく世の中駆けて健やかになほ後の世の移ろひ見たし |
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