マラソンの歌百か所記念にわれの駆く虚無僧姿のホノルルマラソン

天蓋に虚無僧われの視野狭し溢るるランナーの流れの中に

虚無僧のわれに近付く気配して閃くフラッシュ撮られ駆けをり

見ゆるかと尋ね下さる人多し虚無僧握手に応へ駆けつつ

虚無僧の姿に駆くるは慣れしもの安中五回に萩をも駆けて

完走を祈願に尺八吹けといふ吹けば周りに歓声の湧く

虚無僧も侍の内声援はまさに外国ホノルルマラソン

ダイヤモンドヘッドの坂をわれ歩む力温存長きレースに

天蓋をとれば虚無僧われまぶし朝日輝く黄金の海に

観光地のハワイの街を視野狭くひたすらに駆く虚無僧のわれ

距離表示マイルに戸惑ひわれの駆くキロに換算いちいちなして

街路樹の「この樹何の木」影求め常夏の島のマラソンを駆く

冬と夏周期二週をわれの駆く河口湖マラソンホノルルマラソン

エイドには飲み物ばかり食べ物の多き国内レースに慣れて

大汗に疲れ物憂くわれの駆く常夏の島のホノルルマラソン

常夏の陽射し遮る天蓋もさげたる明暗箱も重たし

虚無僧われ異国の街をひた歩む衣装ずふ濡れ乱れしままに

四五マイル歩みてこしか好意なる放水避けつつ衣装の重く

半マイル残るを水得て勇み駆く声援を虚無僧われに集めて

わが「百」に思ひもよらぬ特別賞受けて感激完走パーティー（注記）

ホノルルを詠ひて百か所百番目いづれ発刊「百走一首」

百か所のマラソンの歌一首選いづれ発刊「百走一首」