マラソンの歌19号-15
 '97 雁坂峠 越え秩父往還140km走 
平成9年 1997年



雁坂峠のトンネル工事進みをり秩父往還百四十キロ走

眺望のすこぶるきくと言ふ峠濃霧に今年も視界閉ざせり

昨年は台風すさぶ雁坂峠をわれの越えたり希なる時に

荒川の上流に出で沿ひ駆くる国道百四十号峡谷を縫ふ

よもすがら鳴く秋の虫降る雨を疎みて声のか細く聞こゆ

完走の望みの出でてマイペース一緒の友を置き去りにして(乞う容赦今坂柳二氏)

スパルタを目指すか友は大量の負荷を担ひて歩むことなし(芦川幸子さん)

昨年のリタイアの場所正丸屋今年は快調下りを飛ばす

音もなく降る秋雨に濡れて駆く深夜の国道高麗川に沿ふ

交叉する鉄路に現場位置を読むビニールに包む地図を開きて

降りかかる雨滴拭ひて地図を読む位置の確認ライト照らして

雨降るを深夜未明もかかはらずエイド開きてサポート嬉し

歩みても完走なるを確信す完走酒なる水を飲みつつ

大方は下りが楽にゴールインよもやの完走われの果たして

至難なる完走驚嘆わが変身どこまで変はる老い見詰めつつ

来なば来よ的中したる台風に災ひのもと口を閉ざせり(加藤ひろみさん)

時間内完走者には名誉なる永久ナンバーわれも戴く

われの得し永久ナンバー二十四再び完走おぼつかなくも

明日がわが五十八歳の誕生日節目を飾るわれの完走

長野五輪記念硬貨の五百円完走者への友のサービス(有戸啓子さんより)

来週のびわ湖はいかに夜叉ケ池以来毎週イベント続く

遺憾なり撮りし写真がぼけばかり買ひしばかりのカメラのはずが


 開催日      平成9年9月14・15日

 呼びかけ人   武蔵ウルトラマラソンクラブ 代表舘山 誠氏

 コース      甲府市〜広瀬湖〜雁坂峠〜秩父湖〜秩父市〜川越市

 制限時間    24時間 スタートAM5時

 記録       23時間26分35秒

 ゼッケン     NO・17

 「長流」     平成10年1月号


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