ケーブルにて忘れつつある登山道材木坂が地元の人にも

行く道の松尾峠は行き止まり佐々成政いかに越えしか

古事に載る武将の辿りしさらさら越え史実を探すわれらの下見

『ジャーニーラン』の出版記念を盛大に終へたる友の次なる企画

ケーブルにてバスにて上る立山はホテルも在れば山の賑はふ

海の日に続く連休山小屋のロッジ立山を危ふく確保

梅雨明けと思はるる晴天清々し快速登山のわれら迎へて

成政の越えたるらしきざら峠のルート下見は次回に過ぎる

道筋を違へたるらし崖っ淵戻り得難く河原を辿る（ヌクイ谷）

迷ひしも足跡見付けてわれ幸ひ辿る河原にキャンプの有りて

八畳に九人雑魚寝の平小屋全員泊める義務の山小屋

道といふ道は流れて沢伝ひ明らかなるは沢が道なり

沢が道岩に点々目印を探して至る針の木出合

いつ知らず涸れたる沢の湧き水に喉を潤し峠を目指す

一面のお花畑の清々しわれらの他に遭ふ人のなく

滑らねば辿るが早し雪渓は一直線に障害のなく

雪渓を下りつつ偲ぶ月の山白衣の山伏われのありし日

アルペンルートを己の足にて辿りしを誇りに思ふ広告見つつ

わづかなる夏山体験厳冬の雪山などをわれの知るなし