百キロを十三時間の制限にわれ完走の可能性に出づ

大方の好評聞きつつ初参加秋田百キロウルトラマラソン

飲み過ぎを警戒しつつ前夜祭つひぞオーバー目量り三合

武家屋敷闇に鎮もる角館未明にスタートす百キロマラソン

明けくればマリーゴールド延々と百キロマラソンの道筋飾る

幸せの門のアーチに遊び心意図に応へてわれ潜り駆く

一口に飲み込みやすき握り寿司秋田小町がスタミナ源に

見るは初ましてや食ふは「みずのこぶ」難聴のわれ三度も問ひたり

冬支度一番早きはくるみの木大覚野峠をわれの越えたり

珍しきあけび茸の山の幸土地柄豊かにエイドに並ぶ

看板に何と読むべか「笑内」笑へぬままにわれの過ぎたり（をかしない）

マラソンの祭り見物沿道に元乙女らの声援嬉し

マラソンの祭りと見做してわれの駆く共演駆くるが役に楽しく

道筋の数か町村真心のサポート嬉しくマラソンを駆く

完走の見込みに駆くるも残る距離時間気になり見るもの虚ろ

阿仁川が開きし豊かな穀倉地取り入れ最中のコンバイン見ゆ

空港が開かれ利便さ引き換へに秋田情緒の廃るを憂ふ

声援に煽られて駆く鷹巣の商店街を礼を述べつつ

大きさの世界一なる大太鼓の響きに乗りてわれゴールイン

祝杯は地酒爛漫後夜祭秋田おばこはもてなし上手

大会を開きて評価が気にかかる主催者の心解らぬでもなし

ゼッケンを付けたるままに出で来り妻の不在のわれの洗濯

出産の娘の介護に妻は留守己一人をわれの養ふ（９／12明日花誕生）