平成10年 1998年 マラソンの歌20号-18
　　
　故伊奈恭介氏追悼大会

	秋晴れは確実ならむ満天に星の輝く未明にスタートす 向かう見ずなる暴走族の爆音に怯えつつ駆く海岸線を 釣り船の出港近しエンジン音響かせ人影闇にうごめく 起伏富む三浦半島の上り坂百キロマラソンを心得歩む 清々しき緑は大根畑にてシートの掛かるは未だ幼し 金色に水平線の輝くを橋の上より撮る人の立つ（城ヶ島大橋） 地元なる友のサポート案内に指差し見ゆる富士の嶺白し（吉田久美子さん） 絵葉書に見掛ける海岸線通りすなはち絶景富士を目線に ランナーに暑さ苦しき午後の陽のきらめき眩し湘南の海 四万十川と二週続きの百キロに脚の重たし暑さに耐へて 鉄人も癌には勝てずみまかりし主催者しのびてマラソンを駆く 組み立てし最後のバイクに乗るといふ友は故人を偲びつつ駆く（小助川　靖氏） ことの外わが歌称へてくれたるを偲びて駆くれば姿の顕ち来 未明より宵闇迫るをなほも駆く日焼けしならむ顔の強張る 完走を明らかにしてわれ歩むゴールの冷たきビールを当てに 酒好きが飲めなき程のダメージの友らの分もとわれの飲みをり 大会の継続なるこそめでたけれ何処にも劣らぬ景勝地にて
	開催日 平成10年10月25日 主催 三浦・湘南１００kmウルトラマラソン実行委員会　委員長長野志津男氏 コース 京浜長沢〜三浦半島〜横須賀〜葉山〜逗子〜鎌倉〜藤沢往復 制限時間 13時間30分　スタートAM４時 記録 13時間23分35 ゼッケン なし 「長流」 平成11年４月

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