初回より連続七回わが参加今回初が三分の一とぞ

退職後走りて飲みて眠る日々大会参加がわれの楽しみ

停年に三月余してわが離職今ぞはやりのリストラによる

停年後隠居もよしと思へどもわれは失業ハローワークへ

事業主の勧奨によるわが離職保険を当てにハローワークへ

ネクタイの要らぬ生活の清々しわれ退職後頭丸めて

庭先に干さるる梅干香の薫るわれ黙々と炎天下を駆く

この酷暑に友の棺の出で行かむ礼欠きて来ぬわれ通夜のみにて　（矢崎裕康氏を悼む）

雨垂れのごとく解け散る頭の氷盛夏のマラニック影拾ひ駆く

夜叉ケ池雨乞ひ伝説マラニック水害被害を各地に聞くも

炎天に揺らぐ陽炎先行の友らゆらぐをわれの追ひ駆く

頃のよき給水給氷有り難しボランティアのエイド車近づく

混雑の風呂場を避けて清流にわれの漬かりて夕餉に向ふ

月影も星影もなき未明四時第二ステージわれのスタートす

天候に左右をされて到着の夜叉ケ池にはこれにて五回目

選択の余地なくコースは一種目百三十キロのゴールに向ふ

雲の峰聳ゆる炎天下ひもすがらただひたすらにゴールに向ふ

のんびりとアフターマラソンと思へども疲労困憊身は暇なるも

誇りなる連続参加も来年は当座疲労のわが身の拒む

起き抜けに酒を飲みつつ今日一日怠惰を決めて格別うまし

ハローワークへわれ通ひつつ充電と走りて飲みてひたすら眠る