マラソンの歌26号-8
　　
平成16年 2004年

	ワープ可の大会選びわが参加脚の衰へ顕著になりて 同室の仲間ら五時のスタートはわれ四時スタートの申告漏れなり うかつにも申告漏れのスタート時間四時に変更哀願のなる 安酒をペットボトルに詰め替へて足しにと持参晩餐会に 一時間わがスタートの早ければ仲間ら寝ぬる部屋忍び出づ 遺憾とも拡幅工事に船倉の船屋失せたる道筋侘びし 手付かずの緑の山の多祢寺山雑木林の自然麗し 覆ひたる雑木林の下影を仲間ら歩む一列縦隊 どんよりと空は曇りて走り梅雨薫る緑の雫が零る 多祢寺山を下りて直行空山へわれは大幅ワープに遊ぶ 空山へ裏から入れぬ情報にわが予定なる行程狂ふ 峰友の四人そろふも遺憾なり撮らむとせしが電池切れとは 焼き魚肴にビールの船着き場乗船までを呑み喰ひ憩ふ ゴールなる五老ヶ岳の塔見ゆるコースを巡る湾入り組みて 大方は歩きに徹してゴールインワープを頼りに参加をなして 衰へてままにならなき時は来るそれまでの間ぞ皆に会へるも
	開催日　　　平成16年6月6日　　呼びかけ人　芦田敬二氏 主催　　　　れんがの街マラニック実行委員会 種目　　　　100�q　制限時間16時間　(4時スタート17時間） 記録　　　　約75�q　14時間00分　　ゼッケン　��65 「長流」　 　11月号
	コース説明で空山へ裏から入れないのを聞いて面くらいました。ワープが頼りの私は、コース設定の練り直しをしなければならないからです。空山をぐるりと廻る正規のルートなどとても無理で、さりとて省くとなると時間つぶしが大変です。 　ともあれ、第１回に参加して昨年が２度目の私は、道路公団の仕業かどうか知らないが、余りにも豪勢なクレインブリッジの存在にびっくりして渡り、そのままトンネルを潜ってしまったので、今年は初回に見た船屋が見たくて海岸線を辿ることにしました。 　ところが、海岸線の道路は何時拡幅されたのか、岸辺にいくつも在った船屋は跡形もなくがっくりしました。味気ないこと極まりないのですが、住んでる方々にとっては暮らしが楽になったということなのでしょう・・・。 　良かったのが多祢寺山でした。頭上を覆う闊葉樹の自然林は清々しく蘇生される思いでした。林政の失敗でしょう。多くの山々が杉檜の人工林になってしまいましたが、採算が合わないらしく荒れたままに放置されている山が多々在ると聞くに付け、手付かずの自然の山が有難いのです。是非保護をして、否、何もしないで後世に残して欲しいものです。来年からはこちらを正規のルートにしてはいかがでしょうか。 　下りでワープ名人の浅野美峰さんに追いつきました。石原花峰さんもいます。空山でサポートの山口矢峰さんと私を含めて４人の「峰倶楽部」用の写真を撮ろうとしたのですが電池切れにはがっくりです。その後、浅井さんエイドで、オーストラリア・アメリカ・ヨーロッパ３大陸完走の坂本真峰さんに会いながら、また船着き場ではサポートの奥蘆峰さんに会いながら、写真が撮れなかったのは誠に残念でした。１人千田虎峰さんは多祢寺山で撮れたのですが・・・。 　写真といえば、今年クレインブリッジを渡る時からずぅ〜と一緒だった、國府靖さんの第１回のエピソードをもう一度書かせて頂きます。余りの暑さにくたばって、２人は一休みすることになり・・・。 　「いくらでもあった木陰が、いざとなるとなかなか見付かりません。余り贅沢もいえず、ともかくも、木洩れ日のまだらな木陰に飛び込んで腰を下ろしました。栗のいがの痛みに帽子を下敷きにして座り直しました。ゼッケン37番氏はいきなりの大の字。横になれたことが先ずは天国、いがの刺激が心地好かったのかも知れません。 　氏とは空山の折り返しまで一緒でした。下りは復調の氏を追って、再び多禰寺で一緒になりました。各所で撮った写真を差し上げようと、名簿を見てびっくりしました。氏名の欄の後に「女」とあります。私は氏を同性とばかり思っていたのです。思いも寄らないチャンスを逃したものです。國府靖様不謹慎なること紀行記に免じてお許しください。初老のもはや口先ばかりの私です。」 　手作りの大会です。多少の手違い、間違いがあった方が面白いのです・・・。衰えた足の私にはもはやまともな大会は無理で、ワープ可能なこのような大会が有難いのです。来年はチャーター船のみとか、奧の埠頭までの便はあるのかな・・・。