平成5年 1993年
マラソンの歌12/13(15)号-18
平成5年 1993年
 |
||
|
行政の数か町村抱き込みて友の企画の大会のなる（実行委員長・山口数博氏） 田仕事も忙しと言ひつつ気配りに足の便など気遣ひ嬉し（山口敬子さん） 乗りて来しバスの乗客われ一人山の奥なる大会に来て 雨の降る山奥の夜は真の闇荒れてゐるらし雨降りしきる 朝の五時メインの山頂諦めて闇にスタート小雨の中を
伝説の夜叉ケ池へのマラニックダム湖靄ひて幻想そそる 故郷の不動の滝への道に似てしのびつつ駆く川に沿ひつつ 道端に蛇のむくろの痛々し関はりしのぶ大会なるに 夜叉姫が蛇の化身の龍神に嫁ぎてぞなる雨乞ひ伝説 阻まるは蛇のたたりと思ふべし夜叉ケ池伝説たどる山道 目前に聳ゆる山の夜叉ケ池を黒雲閉ざし道をはばめり 
かくも坂を上り来しかと山下る雨が幸ひ疲れ少なく 夏草の雨に小暗く緑濃し楚々と自生のあぢさゐの花 雨に陽に晒され醸す夏草の刈り後臭ふ大気甘酸く 切り株と見ゆるは釣り人靄に透けよしの河原の石に紛れて ゼッケンがＡＢＣとも一番は偶然にして虚無僧軍団（注記） 
連れションの歌を作れとせがまるる並びて自然を耕しながら（吉藤 尚氏） 足萎えの親の分もと娘の心のめり込みつつ友は駆けをり（福井桂子さん） 雨止みて夏の陽透けてけだるさの兆す頃合われゴールイン 夜叉姫のワンカップ酒記念にと思ひて忘る飲みて終へば はからずも無心となりて夜叉姫の酒が記念に友の惠に（野村博之氏より） 行くことのかなはざりける夜叉ケ池幻に濃し姫の顕ち来て |
||
|
||
|
主催 ’93夜叉ケ池伝説マラニック実行委員会 参加種目 龍神コース（Ｃコース）47km（実質６km減の41km） 記録 ５時間０分 ゼッケン NO・Ｃ−１ 注記 雨乞いコース（Ａコース）１３０km・酒井忠彬氏 夜叉姫コース（Ｂコース）82km・千田虎峰氏 「長流」 11月号 「フル百会報」10月号 |
||
|
||
ローカルなウルトラマラソン大会ともなると、わが「フル100」からの参加者が1割や2割を占めるのは珍しくありません。しかも、距離が長いほどその傾向は顕著で、この度の大会も例外ではなく、私の参加した1番短いＣコース47kmには、NO・１００石神良平氏とNO・２００小野幹夫氏のかくしゃくたる老人組がいただけでした。 肝心の夜叉ケ池までは残念ながら、雨に道を阻まれて行けませんでしたが、真夏日の炎天下ともなれば、相当の苦難を強いられたのではなかろうかと思います。 ともあれ池では、元気な若者が押し寄せてこないのを幸い、夜叉姫がのんびりと行水を楽しんでいたのではなかろうかと、幻想している中老の私ですが、「マラソンの歌」の方はいかがでしょうか。観賞戴ければ幸いです。 |
||
|
||
