長梅雨に台風四号重なりて雨憂ひつつ大会に出づ

記録詠未完のままに大会が続きていささか気になるところ

土砂降りの雨を早朝富士へ発つ払ふは子にと白タクさせて

土砂降りの雨を昨日は三時間ドリームランを友と楽しむ

長雨に野菜高値を給水にトマト丸のままかじるがうまし

朝（あした）まで駆けてそのまま行けといふさすがウルトラランナーの友（堀池計年氏）

立川の始発列車のワンボックスを悠々占めて朝飯を食ふ

雪渓がクロスに雲間に覗き見ゆいかなる兆しか気になる天気

再会の友と握手を交はしつつ山頂コースの不可なるを聞く

朝凪に穏やかなれども山頂は風凄まじく荒れてゐるらし

油蝉未だ鳴かぬにひぐらしのこゑ爽やかに富士の山麓

制限の時間がカウントダウンさる年々危ふきわがゴールイン

五合目の雨は冷たく友急きて逃れて憩ふ雲上閣へ（舘　淑子さん）

虚無僧の竹持つわれの写真見て六段千鳥を弾くと言ふ友（藤井瑶子さん）

持ち来る暑中見舞ひにスタンプを押して添へたり富士の涼味を

送らむと暑中見舞に添へて出す歌集は成れど梅雨の長引く

七月に参加の大会全て雨冷夏不況の続きしままに

円高の不況脱出見えぬまま政界混沌浄化唱へて

政権の長期腐敗に自民割れ理念怪しき連立のなる

　開催日　　　平成５年７月25日

　主催　　　　山梨県富士吉田市

　参加種目　五合目コース　距離15km

　記録　　　　２時間48分？秒

　ゼッケン　　NO・４３３８

　「山の辺」 　11月号