マラソンの歌12/13(15)号-26
  
平成5年 1993年



スタッフの赤き帽子にブレザーのわれの仕事はまづ選手引き合はせ

母を娘が伴走なしたるサロマ湖の百キロペアーが大会に見ゆ(注記)

嫁がすは苦汁にあらむ伴走に親子ペアーに勝るはずなく

十キロのトップランナーがわが胸に凭れて息荒く喜び分かつ(炭谷一男氏)

グランドのそこにかしこにスタッアら甲斐々々しくもブレザー目立つ

何くれと携はりつつ片時に見やる巡りのもみぢ麗し

ランナーの去りたる後のスタンドに置き忘れたるバックの一つ

置き引きに遭ひたるバックと判明すランナーとかく警戒薄く

居酒屋に張りたる宴の慰労会なにはともあれ大過のなくて

対応に厭ひて抗議の断筆が新たに問へり差別語問題(筒井康隆氏)

執拗に検閲もどき言葉狩りにマスコミ弱し差別語問題

差別語と言ひ換へられて味気なしうさん臭きは圧力団体

見事なる林檎が礼にと届きたり戴く立場にわれなきものを(佐々木徳夫氏より)


 開催日   平成5年10月31日

 会場     小田原市城山陸上競技場及び周辺道路

 主催     日本盲人マラソン協会(J・B・M・A)

 主管     第11回全日本盲人マラソン小田原大会実行委員会

 注記     鈴木政子・美智子さん母子

 「山の辺」  平成6年2月号


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