マラソンの歌12/13(15)号ー3
  

平成5年 1993年





スタートに十分遅れてわれは駆く遅きが遅れてなほ離されて

制限の時間厳しき「埼玉」に備へるべしと勇みつつ駆く

初春の陽の道輝き通りたり濠に黄金の小波揺れて

新しき年の初めの休日にビル街靄ひ鎮もりにけり

建築中の高層ビルが年を越すクレーンを高く掲げしままに

開きたる半蔵門の中が見ゆ葦の髄から覗くがごとく

パノラマ写真に皇居の門を撮りて駆く警備をさをさ怠りのなし

水鳥の濠に写りて翻る餌を撒く人の端を過ぎれば

大福餅を一つ食らひて快調に上り二周をベストにめぐる

提げ来る一升酒をふるまひて初春楽しき堀端の宴

近きほど早く帰りて残りたる友らの家のはるばる遠し(注記1)

日ごと来る賀状が山となりにけり差出人の不明もありて

新しき日本の顔と祝ぎ思ふ皇太子妃の内定なるを(小和田雅子さん)

マラソンのわれらが写るカレンダーを茶の間の壁に貼りてご機嫌(注記2)


 開催日   平成5年正月3日

 主催     GLOBALマラソン協会

 参加種目  フルマラソン(通算33回目)

 記録     4時間49分16秒

 ゼッケン  NO・F39

 注記1   岩手県より坂下義了氏、福島県より小針 勉・森 政信氏、
        岐阜県より山口数博・敬子夫妻、神奈川県横須賀より岡添純子さん。

 注記2   岡添純子さんより戴く。

 「山の辺」 4月号


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