逢ふ度に作りてくれとせがまるる戯れ歌二三作りてやれば（吉藤　尚氏）

お互ひに既知のごとくに相まみゆミニコミ誌にて馴染みにあれば（見野　容氏）

炎天の午後をスタート神戸町ひとまず街を練りて駆けつつ

伝説の雨乞ひマラソン今年こそ日本列島渇水に駆く

山裾を駆けつつ眩し美濃平野猛暑の夏を展望しつつ

ひぐらしの三重四重五重奏耳に涼しく炎天を駆く

水分の補給にうまし塩昆布塩の補給は不可欠にして

揖斐川のダム湖豊かに渇水の気配などなし緑湛へて

黄昏の坂内村にゴールイン湯上がりに飲む麦酒のうまし

罹災者のもどき体験体育館に毛布一枚被りて眠る

排泄に三度通ひてやうやくに後顧の憂ひを絶ちてスタートす

十三夜の月光便りに粛々と第二ステージ未明にスタートす

浮き雲のよぎれば暗し月明り闇には慣れて黙々と駆く

太陽の出づるを前に距離稼ぐ山の冷気を身に浴びながら

伝説を辿る杣道変はらざる道筋ならむ車止め過ぎて

険阻なる道辿りつつ伝説の時代をしのび苦難をしのぶ

何用のありて発見夜叉ケ池移動を足に頼りし時代に

夜叉姫の身を浄めたるといふ滝に喉を潤し壁に取り付く

岐阜福井県境の尾根風強し目指しし池は福井県側

新天地を拓かむとして越えたるか人間の性好奇に満ちて

目指したる池は緑の景観を写し鎮めり姫を護りて

迷走の台風本土上陸はわれらが雨乞ひの成果なるべし

排尿を忘れたるがに間遠しむくみたる身は反作用にて

浮腫みたる身のいといとし反作用流れし汗のあまりに多く

　開催日　　　平成６年７月23・24日

　主催　　　　 ’94夜叉ケ池伝説マラニック実行委員会

　参加種目　 夜叉姫コース（Ｂ）90・８km（42・４十48・４）

　記録　　　　 弟１ステージ５時間24分　弟２ステージ７時間38分

　ゼッケン　　 NO・６

　「長流」　　 11月号